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#アップルノート

米国シリコンバレーからお届けする松村太郎のマガジンです。米国生活の視点からみたAppleとテクノロジー業界、我々の未来の生活について、一緒に考えていきましょう。 個人的な取材ノ… もっと読む
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【#アップルノート from #マツムラボ】 Appleのパブリックコメント: サイドローディング ありきのデジタル市場競争会議を批判、その理由とは?

【#アップルノート from #マツムラボ】 Appleのパブリックコメント: サイドローディング ありきのデジタル市場競争会議を批判、その理由とは?

最近よく耳にする「サイドローディング」。

AppleやGoogleが用意する公式ストアではない手段で、スマートフォンニアプロをダウンロードする方法を指し、AndroidではGoogle以外のストアでアプリをダウンロードすることが可能となっています。しかし利用実態を見ると、日本では1割ほど。

技術的な知識不足、認知不足、公式ストアで事足りること、そして争点となっているセキュリティやプライバシーを

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【#アップルノート】 iPhoneエコノミーの限界は訪れるか? - ハードウェアが抱えるそもそものリスクについて

【#アップルノート】 iPhoneエコノミーの限界は訪れるか? - ハードウェアが抱えるそもそものリスクについて

Appleはシリコンバレーにおいて、ハードウェア企業であり、巨大なアプリ経済圏を抱えるソフトウェア・プラットフォーム企業であると言う、非常にユニークな存在になりました。

おそらくハードウェアのみの企業であれば、3兆ドルの時価総額を一番乗りで達成することも、シリコンバレーの老舗にして良心のような存在感も、実現できなかったのではないでしょうか。

現在プラットフォーム企業は、これまで右肩上がりで成長

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【#アップルノート from DAO】  iOSの標準メッセージアプリはRCSに対応しない?

【#アップルノート from DAO】 iOSの標準メッセージアプリはRCSに対応しない?

#TextGoesGreen というGoogleが仕掛けているキャンペーンの動向は面白いと思っています。

場合によってはGoogleにとって裏目に出そうな点も含めて、少し現状の解説を。

※この記事は、#アップルノート Editorial DAOで議論されたトピックをまとめています。DAOへのご参加については、以下の記事をご参照下さい。

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【#アップルノート】 改めて考える、絵文字から見る世界

【#アップルノート】 改めて考える、絵文字から見る世界

冒頭の絵文字は、コロナ禍で改めて話題になっている「ぴえん」。ちょっとした悲しさや、うれしさで泣きそう、泣いている、といったこぢんまりとした感情を表現している絵文字です。Unicodeでは「Pleading Face(訴えかける顔)」として登録されています。

日本で生まれた絵文字は、すでに世界中で絵文字が使われるようになっており、Emojipediaでは、最近使われている絵文字を集計し、ウイルスの

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【#アップルノート】 気まずいGAFAの決算と、デジタル化、プラットホーム、行動変容について真剣に考える

【#アップルノート】 気まずいGAFAの決算と、デジタル化、プラットホーム、行動変容について真剣に考える

Google、Amazon、Facebook、Appleなど、テクノロジー企業の決算発表が軒並み行われています。

Googleの親会社のAlphabetは2004年の上場以来初めての減収となりましたが、その他の企業は軒並み好決算を叩きだした。

特にAmazonは、6割の減収予想をひっくり返し、89%増収。世界中の都市がロックダウンされ、オンラインショッピングの需要が高まっていたことが挙げられま

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【#アップルノート】 AppleとGoogleの「曝露検出API」、日本を含む22カ国と米国のいくつかの州が受け取り、アプリ開発に着手

【#アップルノート】 AppleとGoogleの「曝露検出API」、日本を含む22カ国と米国のいくつかの州が受け取り、アプリ開発に着手

AppleとGoogleは米国時間5月20日、新型コロナウイルスの感染拡大の押さえ込みを行う各国政府や衛生当局を支援するためのスマートフォン向けAPIを公開しました。各国1アプリの公開が可能で、国家や公衆衛生当局によるアプリ開発が許可されます。

早速、日本を含む22カ国や米国の州当局がこのAPIにアクセスし、アプリ開発着手あるいは開発中のアプリへの実装を進めることになりました。今回は、このニュー

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【#アップルノート】 視点:日本は5Gで2〜3年遅れるかもしれない、そう思う理由

【#アップルノート】 視点:日本は5Gで2〜3年遅れるかもしれない、そう思う理由

Appleの2020年第1四半期(2019年10〜12月)決算は、iPhoneの復活、ウェアラブルとサービス部門の急成長によって、売上高を8.9%成長させ、過去最高を記録しました。米国市場が絶好調なのは言うまでもありませんが、欧州もきっちりと伸び、長らく不振が続いていた中国市場すらプラス成長を記録しました。

しかし、Appleが分けている世界5つの市場のうち、唯一マイナス、しかも10%に迫る規模

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【#アップルノート】 iOS 13で示されたスマートホームセキュリティへの道

【#アップルノート】 iOS 13で示されたスマートホームセキュリティへの道

iOS 13でも、引き続き、Appleがユーザーのセキュリティやプライバシーを重視する姿勢が貫かれている点は、ブレなかった、と言う印象でした。Sign In with Appleは、FacebookやGoogleに直接的に対抗する、攻めのプライバシー施策となり、一定のインパクトを持って受け入れられました。

しかし個人的には「サービス企業としての成長を目指すApple」という視点で、iCloudと

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【#アップルノート】 ケータイとスマートフォンでふりかえる平成モバイル史

【#アップルノート】 ケータイとスマートフォンでふりかえる平成モバイル史

写真は2008年に日本でもiPhoneが発売され、ケータイ世代だった同世代がこぞってiPhoneに乗り換えていたときに撮影したものです。それまで多種多様な「形態進化」、つまりハードウェアによる進化を謳歌してきた携帯電話からスマートフォンへ、とりわけAppleのiPhoneへと移行してみると、ケース以外でポケットの中の端末の違いはなくなってしまいました。

しかしながら、アプリが充実してくると、同じ

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【 #アップルノート 】 Appleの「音」戦略 - Apple Musicの有料購読者数が米国市場でSpotifyを上回り、スマートスピーカー市場とSiriの逆襲について

【 #アップルノート 】 Appleの「音」戦略 - Apple Musicの有料購読者数が米国市場でSpotifyを上回り、スマートスピーカー市場とSiriの逆襲について

米国のDigital Music Newsによると、米国市場において、Apple Musicの有料購読者数が、Spotifyの米国市場における有料購読者数を上回った、と伝えました。

また、AirPodsやApple Watchを含むウェアラブルデバイス部門は、年間の売上高100億ドル規模となるFortune 300企業レベルに成長しているとAppleは指摘しています。さらに、iOS 12でついに

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なぜAppleは、自社でプロセッサを作っているのか? それはなぜ、コンピューティングの未来なのか?

なぜAppleは、自社でプロセッサを作っているのか? それはなぜ、コンピューティングの未来なのか?

5月はイベントがたくさんあり、なかなか更新の時間が取れませんでした。月末に、それらの内容を含め、まとめてご紹介していきます。一気に更新していきますので、どうかお楽しみ下さい。

まずは、少し講義的な話からまいりましょう。

AppleはiPhone Xに、A11 Bionicプロセッサを開発しました。汎用のアプリケーションプロセッサですが、ここには、RISCの父と言われスタンフォード大学の学長でも

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【 #アップルノート 】 AppleはiOS標準の「メッセージ」アプリをRCSに対応させるか?

【 #アップルノート 】 AppleはiOS標準の「メッセージ」アプリをRCSに対応させるか?

携帯電話事業者がSMSに変わる電話番号を用いて豊かなコミュニケーションを実現するメッセージサービス、RCSは、米国、日本を含む世界中のキャリアで採用されます。その背後にはGoogleがインフラ整備などに取り組んでおり、企業が携帯電話ユーザーと直接つながるプラットホームを抑える狙いが見られます。

しかし、このサービスの弱点を理由に『使いたくない』という声が米国では上がり始めました。

Appleは

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【 #アップルノート 】 2018年の視点

【 #アップルノート 】 2018年の視点

新年1本目のノートをお届けいたします。本年も、ご愛読のほど、よろしくお願いいたします。掲載に時間を頂戴いたしましたのは、まとめるまでに多くの時間を要したからでした。ということで、特大号、お楽しみ頂ければと思います。

今回は、ハードウェア、ソフトウェア、サービスをテーマにして、2018年のAppleの動きの中で注目したいポイントをコンパクトにまとめました。2018年に入り、Appleは今年1年をど

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【 #アップルノート 】 2017年のテクノロジーのふり返り、主要企業の動きと社会関係、人工知能時代への示唆について

2017年をふり返りながら、2018年にテクノロジーやシリコンバレーがどのように進化・変化していくのかを考えるヒントを探していきたいと思います。

まずは、テクノロジー業界だけでなく、マーケットからも注目を集めているテクノロジー業界の主要企業の展望についてです。これらの企業の昨年の主要なトピックをまとめると、

「人工知能開発競争とそれを生かしたサービス、デバイスの市場立ち上がり」

「iPhon

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