なぜAppleは、自社でプロセッサを作っているのか? それはなぜ、コンピューティングの未来なのか?
5月はイベントがたくさんあり、なかなか更新の時間が取れませんでした。月末に、それらの内容を含め、まとめてご紹介していきます。一気に更新していきますので、どうかお楽しみ下さい。
まずは、少し講義的な話からまいりましょう。
AppleはiPhone Xに、A11 Bionicプロセッサを開発しました。汎用のアプリケーションプロセッサですが、ここには、RISCの父と言われスタンフォード大学の学長でもある大家、ジョン・ヘネシー氏が未来のコンピューティングであると指摘する「ドメイン特化型プロセッサ」のアプローチが取り入れられています。
そして、このことが、Appleが自社でプロセッサを開発する最大の理由だった、というわけです。
最近、AppleがMac向けに自社チップを採用する、という話も数多く目にします。AppleがiPhoneに対して採ったアプローチを見ると、Macにも起きうると言う印象を持ち始めました。
ジョン・ヘネシー氏はIntelチップ(CISC)の複雑な命令セットを持つプロセッサに未来はないと語ります。同氏が「CISC」という言葉の発生理由となった、命令を減らして高速化を試みた「RISC」の生みの親であることを差し引いても、納得できるだけの理由がありました。
ここから先は
8,704字
この記事のみ
¥
500
期間限定!PayPayで支払うと抽選でお得
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?