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#アップルノート でめざすことについて

みなさんこんにちは、松村太郎です。

2017年1月から、ノートの定期購読マガジンで「#アップルノート」という連載を開始することにしました。一言で言えば、記事化される前の取材やアイディアを書き込むノートを、皆さんに共有して行こう、という試みです。

私は2011年11月に、米国カリフォルニア州バークレーという街に引っ越してきました。31年間東京で暮らしてきた私にとって、初めて違う街へ引っ越した先で、5年間過ごしてきました。

今でもまだまだ若輩ではありますが、当時駆け出しのテクノロジーライターだった私は、「先輩と違う経験をしなければ」という思いが強かったです。

というのも、Appleとケータイを取材している身でありながら、2011年10月に亡くなったスティーブ・ジョブズ氏の基調講演を、生で取材することができなかったからです。一度病気で療養したときにも、また復活すると思っていましたが、それは叶いませんでした。そのショックから、東京からバークレーへ移ることを決意しました。

私がバークレーに移り、5年が過ぎました。そしてiPhoneが登場して10年になります。

私はiPhone以降(正確にはApp Store以降)の時代を、Ai(After iPhone)の時代と呼んでいます。これはMIT Meida Lab.の伊藤穣一氏が、インターネット以前・以後をBI(Before Internet)・AI(After Internet)と呼んでいることにちなんでいます。

Aiの時代の本質は、インターネット革命がデスクトップの前から解放され、いつでも、どこでも、そして新興国を含む地球上のあらゆる人に対して適用されると言うことです。

そして2011年からの5年間、米国での生活は見違えるように変化しました。

Yelpの評価によって、レストランはおいしくきめ細かなサービスが提供されるようになりましたし、Uberによって寒空の下でいつ来るかも分からないタクシーを待つ必要もなくなりました。カメラは持ち歩かなくなりましたし、テレビも入らなくなりました。日々の健康を管理するデバイスを身につけて目標を立てるようになりました。

米国では、Ai時代、年における様々な問題が、スマートフォンとアプリによって次々に解決されていきました。そしてまだそれは進行中と言えます。しかし、同時に、Aiの10年の次は、再びai(artificial intelligent)の時代が訪れることになります。

2016年を終えて、Appleへのシリコンバレーからの評価は、幾分「つまらない会社」という色が強まりました。Macにほとんど刺激が与えられず、人々の興味はWindowsで動作するゲーミングPCに集まっています。VRはFacebook(Oculus)とソニーに集まるし、前述のaiはAmazonとGoogle。そして自動車で注目されるTeslaには、Appleから多くの人材が流れています。

その一方で、日米ではiPhoneの販売シェアが依然として4割を超えており、先進国の生活において、Appleは主導権を持っていると言えます。イノベーターやギークではなく、一般の人々の生活をいま左右する存在であり続けています。

そのAppleが、Ai時代からai時代へ変化する中で、何をするのか。もちろん企業の盛衰にも興味がありますが、我々の生活にどんな影響があるのか、という点を明らかにしていくためにも、米国からAppleを見る視点を、日本にお届けする、という役割をになっていきたいと考えています。

そのため、このマガジンでお届けしていく内容は、個人的なノートです。原稿化される前の、雰囲気や感触、印象、アイディア「Thoughts」が主成分になります。

我々の生活に更なる変革をもたらすテクノロジーについて、Appleを軸に、知るべき話題、押さえておくべき数字、今後の予測を、週刊でお届けしていきます。私にとって最も重要な「考えるきっかけ」であり、原稿の素材。それを皆さんと共有して行こうと考えています。

Appleへの直接取材のメモや号外も、配信していく予定です。目指すは、ティム・クック氏へのインタビュー。読者の皆さんを含む我々の考えを、ぶつけてみたいと思うのです。

このマガジンを通じて、一緒に質問を作っていければ、と思います。

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「#アップルノート」では、

松村太郎によるAppleやシリコンバレー取材を通じた「記事化前の情報や資料、ノート、写真、雑感」を毎週+随時お届けしています。iPhone以降のモバイルライフとその次のテクノロジーの可能性について、我々の生活がいかに変わるかという未来を紐解いていきましょう。

ご質問・ご感想は Twitter @taromatsumura 宛に、「#アップルノート」ハッシュタグをつけてお寄せ下さい。

マガジントップはこちらから http://go.tarosite.net/applenotemag


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